米軍報道官のロビン・オチョア大佐はこのアプリは「サイバー攻撃の脅威」と想定されていることを明らかにした。同大佐によれば、12月中旬に米軍は兵士らに軍務用携帯電話でのTikToKの使用を禁止すると発表した。
取り組みの理由は、12月16日に米国防総省によって発表された警告にあり、それによればTikToKは、「潜在的に安全保障上の脅威とみなされている」ためだといいます。米国防総省では、全職員に対し、「個人情報の漏洩を防ぐため、ダウンロードしたアプリへの注意、携帯電話内の通常とは違う不要なテキストの存在の点検、TikToKに注意をするよう」に命じました。
アプリTikTokは2016年に中国のByteDance社によって開発・リリースがされた。同アプリは特殊効果を使用したショート動画の撮影を可能としたことから人気が高まり、世界で5億人のユーザーが利用しています。
The New York Timesによると、当アプリはアプリ分析会社Sensor Towerのデータを引用すると、過去1年間で7億5,000万回以上ダウンロードされており、これは、同期間でFacebook、Instagram、YouTube、Snapchatよりも数千万ダウンロード多いそうです。
ニューヨークの民主党員であるチャック・シューマー上院議員とアーカンソー州の共和党員であるトム・コットン氏は、2019年10月にアメリカ合衆国国家情報長官にTikTokの国家安全保障上のリスクを高るよう呼びかけました。フロリダ共和党の上院議員マルコ・ルビオ氏を含む他の議員は、TikTokが香港関連のコンテンツを検閲したという懸念を提起しています。
こうなった背景には、TikTokは2019年11月に、会社の幹部が中国との関係を精査する為のアメリカ議会委員会に出席することを拒否したことが引き金になり、これらの議員をさらに怒らせました。
TikTok側は、上院司法委員会の議会への出頭に対して拒否した理由は、「短期間で実質的な議論をできる証人を提供することはできなかった」と述べています。
ただ、2019年初め、TikTokは米国で570万ドルの罰金を支払うことに同意することで、13歳未満の子供の利用者の名前、メールアドレス、および場所を含む個人情報を違法に収集したという申し立てについてアメリカ側と和解してます。
中国では他にも中国の通信機器大手ファーウェイも、米商務省産業安全局(BIS)が定める「エンティティリスト」に記載され、Googleを含む米国企業との新規取引ができない状態にあります。独自OS「HarmonyOS」を発表して脱米依存を掲げ、幅広いデヴァイスやプラットフォームで利用できるという新しいOSだが、決してAndroidの代替というわけではない。そしてアプリの確保やデヴァイスごとの機能への対応など、さまざまな課題も見え隠れしてます。
参照:CNN