イギリス総選挙が終了し、保守党のBrexitが確定しましたが、12日投開票の英国下院総選挙で同国のPA通信は13日、当選を決めた女性議員は計220人と過去最多になったと報じています。保守党の女性議員は86人と同党としては過去最多を記録し、労働党の場合は当選議員の半数以上が女性となる結果となりました。
今回の選挙戦を受けて辞任を表明したジェレミー・コービン労働党党首の後釜について議論がなされています。彼が再び続投するか、はたまた初の女性の党首が選出される可能性があります。今回は次の労働党党首の候補者(予想)についてお伝えします。
ジェス・フィリップス
ジェス・フィリップス氏は、バーミンガム・ヤードリーという選挙区の労働党議員です。38歳と若いです。ヤードリー地区で今回も彼女は議席を確保しています。主張として知られているのはホームレスに関する問題や、家庭内暴力や性的暴力と虐待の被害者に対する国の対応の改善についてです。
そんなフィリップス氏はすでに、帽子をリーダーシップのリングに投げ込むこと(=党首に立候補する?)をほのめかしているようです。
メディアからの注目度は高いものの、ソーシャルメディアのフォロワー数や労働者階級からの支持は大きいものの、彼女は党の左派からの支援を欠いているとされています。
アンジェラ・レイナー
影の教育相アンジェラ・レイナー氏はジェレミー・コービンの忠実な支持者として知られています。年齢は39歳。十代で妊娠・出産した彼女は、16歳で学校を中等教育を途中で断念。その後社会福祉士から労組職員を経て議員になった方です。三十代だけど孫がいるそうです。
リサ・ナンディ
年齢は40歳。イギリスウィーガン地区の労働党議員。「ソフトレフト」とささやかれるように、若干左派寄りの考えを持っているようです。彼女は2015年9月から2016年6月まで、ジェレミー・コービンの下でエネルギーと気候変動に関する国務長官を務めていました。
エミリー・ソーンベリー
情熱的な候補のソーンベリー氏です。年齢は59歳。2016年から影の外務長官、2017年から影の国務長官を務めた英国の上級政治家です。2005年からイズリントンサウスおよびフィンズベリー地区の議員を務めています。
レベッカ・ロングベイリー
「影の内閣」で民間企業相を務め、サルフォード地区の議員であるレベッカ・ロングベイリー氏は社会主義者として知られています。年齢は40歳です。
2015年の労働党指導者選挙の候補者としてジェレミー・コービンを指名した36の労働党議員の1人です。
しかし、今回の労働党の敗北を受けて、彼女はコービン氏を支持したことによる影響を受けて党首になり得ない可能性もあります。
イヴェット・クーパー
ベテラン議員であるクーパー氏は、前回の労働党党首候補選挙で3位になっています。
ブラウン政権では、住宅担当国務大臣、財務省主席担当官、雇用・年金大臣を歴任し、夫のエド・ボールズ氏と共に、夫婦で入閣しているようです。
彼女は2016年にコービン氏を追い払おうとしたが、失敗しているようです。
今回の党首候補を見てみると、女性議員への期待が持たれています。議席数でも女性議員の割合が多くなっていることからも、イギリスはより市民に寄り添った、新しい政治が切り開かれていく可能性がありそうです。
※イギリスのshadow cabinet(影の内閣)とは、イギリスでは,与党を批判する野党が党首を中心とする最高指導部(議員幹部会)をつくり,いつでも政権を担当できるように政府の閣僚ポストに対応する幹部党員をきめています。政権が交替すると,最高指導部がそのまま次の内閣になることが多いので,「影の内閣」といわれています。
参照:https://www.itv.com/news/2019-12-13/will-labour-s-next-leader-be-female/