直近で、香港の裁判所において中国統治下で進行中の安全保障の取り締まりの中で、現在閉鎖されてる独立系ニュースサイト「Stand News」の元編集長2名を扇動罪で有罪と認定されたというニュースです。参照はアルジャジーラの「Hong Kong court finds Stand News editors guilty of sedition」です。
詳細
A Hong Kong court has found two former chief editors of the now-defunct independent news outlet Stand News guilty of sedition in a landmark case that has taken place amid a security crackdown in the China-ruled city.
District Court judge Kwok Wai-kin announced the verdict on Thursday, declaring former editor-in-chief Chung Pui-kuen and former acting editor-in-chief Patrick Lam guilty of conspiring to publish seditious publications. He said 11 of 17 articles that the prosecution presented as evidence were seditious under the colonial-era sedition law.
地方裁判所のクオク・ワイキン裁判官は、元編集長の鍾沛權(Chung Pui-kuen)と元編集長代理の林紹桓(Patrick Lam)を、扇動的な出版物を発行する共謀により有罪としました。検察が証拠として提出した17本の記事のうち11本が扇動的であるとされました。
この裁判は、特に香港の報道の自由に対する試金石と見なされており、香港が1997年にイギリスから中国に返還されて以来、初めて香港のジャーナリストに対して行われた扇動裁判でした。鍾氏は裁判中に「危険な思想を根絶するという理由で言論の自由を制限すべきではなく、むしろ言論の自由こそが危険な思想を根絶すべきだ」と述べ、Stand Newsが政治的なプラットフォームであることは否定しました。
判決が下されたものの、刑はまだ言い渡されておらず、二人は最長で2年間の懲役と5,000香港ドル(約640ドル)の罰金を科される可能性があります。
Stand Newsは、2019年の大規模な民主化抗議の後、政府批判的なメディアとして活動していましたが、2021年に警察による大規模な捜査を受け閉鎖されました。
扇動罪とは、文書や言動により人の感情に訴えかけて、違法な行為を決意させたり、すでに決意を強めたりする罪です。日本では破壊防止法の中に処罰規定などが定められており、処罰対象については判例や事例によりけりです。
2024年に入ってからの香港情勢について、以下のポイントを中心にお伝えします:
## 経済状況
2023年の香港経済は、新型コロナウイルスの影響から回復し、3.2%の実質GDP成長を達成しました。この成長は主に以下の要因によるものです:
– 国際貿易の回復
– インバウンド観光の増加
– 地元消費の強化
2024年の経済見通しについては:
– 実質GDP成長率は2.5~3.5%と予測されています
– 外部環境の不透明性が見られ、輸出に圧力がかかる可能性があります
– 先進国での利下げが実現すれば、年後半にかけて経済状況が安定する可能性があります
※利下げとは、国内の情勢に応じて、その国の中央銀行が政策金利の引き下げを行うことです。利下げが行われると市場金利が下落し、企業や個人がお金を借りやすくなるとともに、設備投資や個人消費が刺激されることで景気が回復しやすいと言われています。
## 財政状況
2024-25年度の香港財政予算案によると:
– 6,330億香港ドルの一般歳入を予定
– 歳出は7,769億香港ドルに達する見込み
– 481億香港ドルの財政赤字が予想されています
去年が
収入: 約70,000億香港ドル
支出: 約90,000億香港ドル
なので、香港情勢の不安定化に伴い、下がり基調ではあるという規模感です。
## 主要な政策と出来事
– 「ハッピー香港」キャンペーンの継続:経済活性化を目的とした消費促進策
>総額2,000万香港ドルを投資して内需を喚起し、映画チケットは30香港ドルにするほか、海洋公園(Ocean Park)でのイベントを先着5000人無料にするなど、エンタメ、スポーツ、食、音楽など、さまざまな催事を開催するというもので、香港市民のマインドセットを明るくしようとするほか、経済回復への道を、より確かなものにしようとする意図がある。
– インフラ投資の増加:前年度比約20%増の予算配分
– 社会福祉・医療・教育分野への重点的な予算配分(全体の約49%)
## 課題と展望
– 中国本土の景気減速や海外金融市場の動向など、外部環境の変化に注意が必要
– インバウンド観光の持続的な回復と国内消費の動向が経済に大きな影響を与えると予想される
– 香港政府は、これらの課題に対応するための政策を継続的に模索していく必要がある
香港は、コロナ禍からの回復を続けながら、グローバルな金融センターとしての地位を維持し、世界中の企業や投資家にとって魅力的な場所であり続けるよう努めています。
https://www.aljazeera.com/news/2024/8/29/hong-kong-court-finds-stand-news-editors-guilty-of-sedition