経済安全保障が懸念される中…ソニーがMSのXboxに先駆けてプレステ5を中国で販売開始

経済安全保障が懸念される中…ソニーがMSのXboxに先駆けてプレステ5を中国で販売開始
2021年5月1日 PLUES
In ビジネス

Sony officially launched its PlayStation 5 console in China on Thursday ahead of its rival Microsoft.

ソニー・インタラクティブエンタテインメント上海は4月29日、中国上海で発表会を開催し、中国市場においてプレイステーション 5を5月15日に発売を開始することを明らかにした。価格はPS5通常モデルが3,899元(約65,000円)、PS5デジタルエディションが3,099元(約52,000円)。公式店を展開するアリババグループの天猫(Tモール)とテンセントグループの京東商城(JD.com)で予約受付がスタートしています。

Official releases of game consoles in China has only been possible since 2014, after a 14-year ban on those products was lifted. The ban has led to PC, and now mobile, being the dominant forms of gaming against Chinese consumers.

中国でのゲーム機の公式リリースは、2014年以降解禁となり、それによって中国国内のゲーム機器はPC、そして今ではモバイルが、中国の消費者の間で支配的なゲーム形態となっています。そんな中コンソールゲームの投入となりました。

2月に中国展開を発表していたPS5だが、5月のリリースとなった。価格は、日本を含むグローバル版よ1万円ほど高い設定で、PS5コントローラー「DualSense」やPULSE 3Dヘッドセットなどの周辺機器も同時発売となるが、いずれも割高の設定となっているようです。

気になるローンチタイトルは、ブレスオブザワイルドをパクったと評されるオンラインゲーム「原神」(miHoYo)を筆頭に、「リビッツ!ビッグ・アドベンチャー」(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)、「ラチェット&クランク パラレル・トラブル」(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)など、暴力要素や性的要素、政治的要素の少ないタイトルが選ばれているようで、中国国内で人気のタイトルかつ、中国側の検閲が厳しい模様です。

闇市場で取引されていたPS5

厳格な検閲法と長い承認プロセスは、ソニーや任天堂などのゲームメーカーが中国で正式にリリースすることをより難しくしてきました。それによって、中国国内に入らない製品は、いわゆる「グレーマーケット」につながることに南り、売り手は香港と日本からコンソールゲームを輸入し、中国のeコマースWebサイトを介して、多くの場合巨大な販売サイトで販売します。

Demand for PS5 has been high in China since it launched outside the country in November 2020,Console gamers in China that could not wait had to pay almost double the RRP (recommended retail price) if they wanted to import a console from overseas

「PS5の需要は、2020年11月に日本で発売されて以来、中国でも根強いニーズがあった」と、ゲーム市場に詳しいニコパートナーズのシニアアナリストであるダニエルアフマド氏は述べています。

PS5を待ちきれなかった中国のコンソールゲーマーは、海外からコンソールを輸入したい場合、RRP(希望小売価格)のほぼ2倍を支払う必要がある状況のようで、これは製品の不足と需要の高まりにより価格が上昇したためだと付け加えました。この状況を打破する意味で、中国進出もやむなしという判断だったのかもしれません。

任天堂と競争?

今回のタイトルにもついている「MicrosoftのXbox」に先駆けて、という話ですが、Xboxも11月にグローバルに発売された中、中国ではまだリリースされていません Xboxは、昨年末に中国でリリースされるハードウェアの安全性の承認を受けましたようですが、マイクロソフトは、中国で新世代のXboxをいつ発売するかについては明らかにしていません。

Sony also has a strong first party offering, and it has worked with domestic game developers such as Ultizero Games to bring unique titles such as Lost Soul Aside to the console and increase the console’s appeal in China.

対してソニーは、中国の開発会社UltiZero Gamesなどの国内ゲーム開発者と協力して、Lost Soul Asideなどのユニークなタイトルをコンソールに導入し、中国でのコンソールの魅力を高めています。ちなみにLost Soul Asideは、FF15に強く影響を受けた中国生まれのアクションゲームと言われており、否定的にみるとパクリになるかもしれません。

そして、中国で発売された最初の外国の次世代コンソールではありません。実はすでに任天堂は2019年にスイッチを発売し、中国のテクノロジー大手Tencentと協力して、コンソールを市場に投入しています。

テンセントは1月、任天堂が中国で100万台のスイッチコンソールを出荷したと語っています。

「PlayStation5は、これまで国内で最も成功したコンソールである中国本土のNintendoSwitchとの競争に直面するでしょう。スイッチのハイブリッドな性質、ソーシャルゲーム機能、高品質のソフトウェアは、中国での成功に貢献しました」

気になる経済安全保障の問題

「PlayStation 5」(以下、PS5)は、2020年11月12日に発売。高解像度出力への対応、SSD採用によるロード時間の短縮、PS4ソフトとの互換性など、大幅に向上した性能を備え、ゲーム体験の質を向上させる新ハードとして人気を博していますが、果たして中国進出は大丈夫なのでしょうか?

グレーマーケットでやりとりされ、規制をかけないと原神のような例を生み出し、日本から中国への技術流出と買収等を通じて他国へ流出していることに危機感を抱き、日本の技術優越を確保する方策は問題ないのでしょうか?

自民党内や経団連でも話し合いは日々行われているかと思いますが、この辺り経済的利益を得る反面、人権や技術流出など、企業としての社会的倫理は持たないと、ただ製品が素晴らしいからといって消費者が購入することはなくなることもあり得るので、その辺りは企業の行動指針として政府と密に連携しながら危機感と安全保障と人権を両立してもらいたいものですね。

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