世界で最も働く都市のトップ5に東京、シンガポール、マレーシアがランクイン

世界で最も働く都市のトップ5に東京、シンガポール、マレーシアがランクイン
2019年12月30日 PLUES
In ビジネス

8月にリリースされたレポートでは、労働者の通勤時間、就業時間、などから算出した、世界で最も長く働く都市を決定する中で、トップ5はアジアの国が算出されました。具体的には日本の東京がトップで、シンガポールが2位、続いて米国の首都ワシントン、マレーシアのクアラルンプール、テキサスのヒューストンとなっています。

一方、ワークライフバランスが最も良いと判断された都市はすべて北ヨーロッパがリストアップされています。1位はフィンランドのヘルシンキで、次にドイツのミュンヘン、ノルウェーのオスロ、ドイツのハンブルグ、スウェーデンのストックホルムとなっています。スウェーデンなどの北欧諸国は労働組合の力が強く、戦後から長時間労働の排除を徹底してきました影響から、現在でも残業の概念がなく、さらに年5週間もの有給休暇取得が法律で義務づけられています。

勤務態度を重視し、勤勉を美徳と考えるアジア

シンガポールのサラリーマンを例にとっています。オスマンさんという方は、集中する会議の数と仕事で食事をとる時間んも無いそうです。この方は会社の広報部マネージャー職で39才、シンガポールの週平均の労働時間は45時間ということで、この忙しさは普通のようです。

それでは、なぜアジアの都市はそんなに一生懸命働くのでしょうか? シンガポール人材研究所の前会長であるエルマン・タン氏は、「仕事文化と勤務態度」だとしています。「シンガポールでは、勤勉であることは美徳であり、競争の激しい環境であるため、人々は競争に遅れずについていくために一生懸命働く必要があります」と彼は述べています。

この仕事文化は、シンガポールの日系企業で働いていた元従業員であるベティ・ホーさんによれば、そこの会社では遅刻することは許されず、たくさんの会議があり、デスクはきちんと整えられていなければならない、と勤務態度を重要視されたようです。

中国のアリババジャック・マー氏が物議を呼んだ「996」

サウスチャイナ・モーニング・ポストのオーナーであるアリババの創設者であるジャック・マー氏が、996システムを推奨していたことは有名です。996システムは月曜日〜土曜日の週6日、朝9時〜夜9時まで働くというものです。この仕組みを指して996システムなんて呼ぶそうです。日本では馴染みのない言葉ですが、中国ではITの大手が軒並みこのシステムを採用しているんだとかで、アリババや中国の検索エンジンのバイドゥ、アプリ収益世界一のテンセントなどが996システムを採用しているようですね。続けてマー氏は、「若いときに996をやらないと年を食ったらできなくなる。」とも語っていたようです。

マイクロソフト社では週4日労働

ただし、仕事に長時間費やされると生産性が向上することは明らかではありません。
経済協力開発機構の統計によると、たとえば、2017年の平均的な日本人労働者は、労働時間ごとに自国の国内総生産に対して46.10米ドルを生み出し、平均フィンランド人は1時間あたり64.60米ドルを生み出しました。日本の従業員は、フィンランドでの従業員よりも年間を通じて125時間多く働いているにもかかわらず、国民経済全体に貢献していません。

米国のハイテク大手Microsoftが日本のオフィスで週4日間の勤務を試みたところ、同様の結論に達し、2,300人の従業員全員を8月に金曜日に給料を減らさずに休みを取らすことに成功しました。日本マイクロソフトでは、働き方改革(ワークスタイル イノベーション)の自社実践プロジェクトとして、本年夏に「週勤4日&週休3日」という取り組みを2019年から行っています。
さらに労働時間の短縮により、会議の効率化、労働者のモチベーションの向上と、約40%の生産性向上がもたらされ、オフィスを使用しないことで電力使用量が約4分の1に減少したとマイクロソフトは述べているようです。

いつでもどこでも仕事ができる時代に

化学会社アジアポリウレタン・マニュファクチャリングでも、自宅、電車の移動などでスマートフォンを通して、メール、チャット、WhatsAppまたはWeChatメッセージで職場の人間とやり取りがいつでも何処でもできてると話しています。
しかし、そのような24時間常時仕事ができる環境は、確かに仕事をしながら個人的な用事をこなすことができるなど、いつでも連絡できることにはメリットがあるなかで、一部の組織では、これを逆手に取り、従業員が休暇を取りながら仕事の問題に対応することを期待し、従業員は常に電源を入れなければならないことを要求されることもあり得るという意見も。
クアラルンプールの広告代理店のシニアブランドマネージャーであるエーディン・チョウ(28歳)は、この罠に陥らないように会社では規則を定め、午前9時前と午後7時30分以降は仕事のメールやメッセージには一切返答しないという対策をとっているようです。しかし、現実は彼女はたまに午後9時までオフィスに留まり、土曜日と日曜日に仕事をすることもままあるということです。

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