パキスタンで大手ソーシャルメディアサービスがブラックアウト

パキスタンで大手ソーシャルメディアサービスがブラックアウト
2021年4月18日 PLUES
In テクノロジー

パキスタンは複数のソーシャルメディアサービスを一時的に遮断したということです。

パキスタン政府は、パキスタン電気通信庁に対し「Complete Blocking of Social Media Platforms(ソーシャルメディアプラットフォームの完全なブロック)」と題して、Twitter、Facebook、WhatsApp、YouTube、Telegramといったソーシャルメディアプラットフォームを、現地時間の4月16日午前11時から午後3時(日本時間4月16日午後3時から午後7時)までブロックするよう命じています。

この動きは、パキスタンが暴力的なテログループを取り締まり、数日間にわたる暴力的な抗議活動の後、トラブルメーカーが金曜日の礼拝集会を混乱させないようにするための措置です。

地元メディアの報道によると、パキスタンは今週初め、イスラム教団体「Tehrik-i-Labaik Pakistan」のリーダーを逮捕した後、同組織の活動を禁止してます。

この命令は現地時間の午後3時に失効することになっているが、過去の政府の同様の動きを見ると、混乱はもっと長く続く可能性があります。

パキスタンは隣国のインドと同様に、過去に一時的に国内の電話回線を遮断したことがあるが、パキスタン政府が国内のソーシャルメディアを全面的に禁止したのは今回が初めてとのことです。

パキスタンは近年、国内で運営されているデジタルサービスのコンテンツをより厳しく管理する方法を模索している。一部の活動家は、パキスタンがあまり説明せずに極端な措置を取っていると述べてます。

パキスタン情報

人口:2億777万人
首都:イスラマバード
民族:パンジャブ人,シンド人,パシュトゥーン人,バローチ人
識字率:62.3%(10歳以上を対象)(2017/2018年度パキスタン財務省経済白書)
宗教:イスラム教(国教)
政府:首相 イムラン・カーン

インドへの対抗上,1960年代から元々緊密だった中国との関係が「中国・パキスタン経済回廊(CPEC)」事業等を通して更に強化されています。また,世界第2位のイスラム教徒人口を抱える国として,他のイスラム諸国との連帯を重視しており、日本とは友好関係にあるようです。

インドとパキスタンの関係

インドとパキスタンの関係は、多数の歴史的・政治的事件により、複雑で全体として敵対的な関係である。1947年にイギリス領インド帝国が解消すると、二つの新しい主権国家(インド連邦とパキスタン)が建国されました。

第二次世界大戦が終わると、1947年8月にインドとパキスタンはイギリスから分離独立しました。このときの「パキスタン」は、西パキスタン(現在のパキスタン)と、東パキスタン(現在のバングラデシュ)を含む地域です。

イギリス植民地時代のインドには、イギリスが直接支配をしていたムンバイ、マドラス、コルカタなどの地域を除くと、実に664もの藩王国(英国統治下インドの半独立の王侯領)がありました。

インドが独立する過程で、マハトマ・ガンディー、ジャワハルワール・ネルーなどが中心となった国民会議派は、インドは異なる宗教をすべて一緒にして一つの国として独立することを主張しました。しかし、ハメッド・アリ・ジンナーが率いるムスリム連盟(Muslim League)はイスラーム教国家の分離・独立を主張しました。その後、交渉が進むにつれ、両者の対立は決定的なものとなっていきます。イギリスは、イスラーム教徒が多数居住する東ベンガル(現在のバングラデシュ)、西パンジャーブ、シンド、バルチスターン、北西辺境の地域をパキスタンとします。そして残りの地域をインドとして独立する案を提示したところ、国民会議派、ムスリム連盟ともにこれに同意しました。

カシミール問題

イギリスがインドに対する宗主権を放棄するさい、664もの藩王国に対してはインドとパキスタンのどちらに帰属するかは各藩王の裁量に任せるとしましたが、インドに近い藩王国はインドへ、パキスタンに近い藩王国はパキスタンに帰属するよう強く推奨しました。しかし、ハイデラバードとジュナガル、カシミールの3つの藩王国は、それぞれの帰属が未決定のまま、印パ両国の独立の日を迎えました。

結局ハイデラバードとジャナガルの両藩王国については、独立後にインドの武力行使によってインドへ統合されました。ハイデラバードの藩王は帰属に応じ、ジャナガルの藩王はパキスタンに逃亡しました。
しかし、カシミールは帰属未決定となりました。

それによってカシミール紛争が始まったほか、両国間では印パ戦争など何度もの紛争が起き、その結果両国の関係は敵意と疑念に包まれています。

ロイターの情報によると、

複数の関係筋によると、インドとパキスタンの情報機関は、領有権を争うカシミール地方の軍事的な緊張緩和に向け、今年1月にドバイで極秘会合を開いた。

両国はカシミール問題を巡って関係が悪化していたが、政府が裏ルートで交渉を再開。大掛かりなものではないが、関係正常化に向けたロードマップ(行程表)を数カ月以内に作成することを目指しているという。

関係筋によると、インドの情報機関である研究分析局とパキスタンの軍統合情報局がアラブ首長国連邦(UAE)の支援を得てドバイで会合を開催した。

両国には歩み寄りを模索する理由がある。インドは昨年以降、国境地帯で中国と対立。カシミール地方の軍事態勢強化は避けたいとみられている。また、パキスタンは経済が悪化し、国際通貨基金(IMF)の支援を受けており、カシミール地方の緊張を長期化させる財源が不足している。米軍のアフガニスタン撤退でアフガニスタンとの国境の安定を維持する必要もある。

としています。

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