Fitbitのアップデートにより、Covid-19の症状を検出できる可能性がある

Fitbitのアップデートにより、Covid-19の症状を検出できる可能性がある
2020年5月17日 PLUES
In テクノロジー

Covid-19の最も恐ろしいことの1つとして、ウイルスに感染したところで、一人一人ができることはそれほど多くないということです。アメリカ政府公式ガイドラインでは、風邪やインフルエンザと同じように、自宅で治療するように定めています。休息、水分の摂取、生活空間上におけるの他人との接触を控えるなどです。
Covid-19は発症した後は数日または数週間ウイルスと戦い、一見元気そうに見えても、その後数時間のうちに悪化し、人工呼吸器を必要となるケースも見られます。

自宅療養をしている場合、深刻な事態に陥ったことをどのようにして判断できるでしょうか?患者は病院の外で、症状がひどいものから命を脅かすものに変わったときをどのように知ることができますか?

コロナ対策で急速に話題になっているツールの1つに、家庭用のパルスオキシメータがあります。
パルスオキシメーター(pulse oximeter)は、検知器(プローブ)を指先や耳などに付けて、脈拍数と血液中の酸素飽和度を測定します。 酸素飽和度が92%を下回った場合、それは懸念事項です。さらに下がると、大きな問題が発生する可能性があります。一部のCovid-19患者のレベルは50%の範囲であると報告されています。

Covid-19は無声低酸素症と呼ばれる、息切れを起こすことなく酸素飽和度を低下させると報告されているため、パルスオキシメータは魅力的とされています。

ただ問題は1つ。家庭用パルスオキシメータは、アメリカ国内ではトイレットペーパーよりも急速に不足しているようです。1年前にパルスオキシメータを入手し時は2日で届いたが、今アマゾンで購入しようとすると、1週間足らずで出荷できるパルスオキシメータを1つしか見つけることができませんでした。価格は60ドルほどとなっており、通常よりも3倍近い請求をしているようです。

しかし、Fitbitスマートウォッチを身に着けている何百万人ものユーザーの1人なら、朗報です。現在、一部のモデルでパルスオキシメータのような酸素飽和度を測定できる機能が取り付けられているからです。それはあなたの命を救う可能性のあるアップデートではないでしょうか?
元々はFitbitが何年もの間、睡眠時無呼吸症候群を検知できるような機能を時計に設置しようときたことがあり、今回コロナの一件で酸素飽和度を調べる為の技術が無呼吸症候群だけでなく、コロナにも使えるのではということで、実装がなされました。

米Fitbitは先月4月15日には、新型コロナウイルス感染症の検出、追跡、阻止を目的とする米スタンフォード大学医学部の取り組みに協力すると発表し、研究グループにスマートウォッチ1000台を寄付する他、Fitbitのウェアラブル製品のアプリにこの取り組みに参加するオプションを追加した動きも見せてました。

しかし、消費者向けウェアラブルにパルスオキシメータ=酸素飽和度の測定機能を組み込むには技術的なハードルがあります。デバイスは実際に機能する必要があり、手首から酸素レベルの測定は困難な問題です。
また、ユーザーの動きが測定値に影響を与える可能性があるという懸念もあります。また、価格はスマートウォッチの価格は150ドルを超えることが多く、多くの脆弱な人々の手の届かないところにあります。

あとはアメリカ食品医薬品局(FDA)からの認可が今の所ないため、ユーザーが酸素飽和度の実数値を公開する事は難しい状態とされていますが、今の時点では睡眠中の血中酸素濃度の要約数値を提供してくれそうです。そこで起こった変異を機械やユーザー自身が検知し、医学的な助言を求める事が出来うるかもしれません。
FDAの問題については検索大手Googleが昨年fitbit買収を発表したことで、Fitbitは資金的なハードルや医療団体との繋がりなど、自社だけでは達成困難であった様々な課題は解決される可能もありそうです。ギズモード紙には「間もなくFDAの認可を申請する予定です」と語っています。

Fitbitの新しい血中酸素測定機能は、Covid-19との戦いで命を救う可能性があります。 2,800万人がすでにFitbitsを装着しているため、パルスオキシメータとして使用すると、膨大な数の人に一度に監視機能を提供できるでしょう。

競合ではアップル社やGarmin社がスマートウォッチに同様のコロナ対策の機能の実装を進めているとの話もあり、さらなるコロナ対策の期待が持たれます。

あくまで機能はサジェスチョン的なスタンスでも良いのではないでしょうか。症状を断定しなくとも、意味のある傾向を示す必要があるだけで有用かもしれません。彼らのの実装のイメージでは、特定のパーセンテージとして数値を表示するのではなく、軌跡を示す要約統計です。「大丈夫」の場合は緑、「医者に電話する」の場合は黄色などの色のシグナルで伝えます。

もしこの機能が正式に実装された場合、同社は、身長、体重、年齢、心拍数の傾向、全体的な活動レベル、およびベースラインの血中酸素レベルなど、ユーザーの体の詳細な知識をすでに持っています。このすべてのデータは、低酸素レベルのリスクスコアに統合できます。パルスオキシメータの読み取り値だけとは異なります。

参照:MEDIUM