台湾人が香港の抗議デモ隊に物資を提供、香港に向けて結束のメッセージを送る

台湾人が香港の抗議デモ隊に物資を提供、香港に向けて結束のメッセージを送る
2020年1月31日 PLUES
In ニュース, 政治

台湾台北にある教会は、香港の反政府運動の主要な支援者であり、最前線のデモ参加者に物資を送ったと伝えています。
香港人は白色テロと結びついている台湾国内の団体や組織との連携を図りたいとしています。

台湾国内にいる香港民主派の支援者達

2020/1/11に実施された台湾総統選挙において、現職の与党・民進党の蔡英文総統が、過去最多となる800万を超える票を獲得して再選された際、蔡英文氏が再選されたことを受けて香港人の一部の方々が台湾に渡り、当選を祝ったことは台湾の一部の方からみたら奇妙に思うかもしれません。

しかし、台湾と香港の結びつきは香港で発生した抗議デモを境に強まったとされており、今回の選挙を祝う香港人にとっては台湾は同志であり、同じ民主化を守る戦いに向けて頑張ろうというメッセージが込められているのではないでしょうか。台北では、一部の教会、書店、カフェ等が台湾から700km離れた香港の反政府デモ隊の支援をしているとされています。香港デモ隊の台湾における最大の支持者の1つに、チーナン長老派教会があります。教会には「香港民主派を応援しましょう」「香港に自由を」と描かれた垂れ幕などがレノンウォールに掲げてあります。

※「レノン・ウォール」とは、自由を求める市民の声が集められてた赤や黄色の付箋が貼られた壁を指します。すでに香港の数十カ所に存在すると言われており、人々の反政府デモの思いが込められています。レノン・ウォールの起源は、1980年代の共産主義体制下のチェコスロバキアで、若者たちがジョン・レノンの死を偲んでメッセージを記したのが始まり。2014年の雨傘革命の時にも、デモ隊が占拠した金鐘(きんしゅう)の歩道橋に現れたが、今回は香港中に出現し、さらには海外にまで広がっている。オーストラリア各地の大学でも、レノン・ウォールがつくられ、自由と民主主義を讃えるメッセージが貼られている。

同教会の信徒から、沢山の安全ヘルメットなどの保護具を香港のデモ参加者に送ったそうです。この動きは、香港政府による「逃亡犯条例」改正案によって引き起こされた社会不安が発生して8ヶ月目のことです。「このような支援の思いは2019年6月に香港で抗議をきっかけに始めた祈祷会です」と、教会のボランティアであるコン・チャオクスン氏は語っています。「その後、多くの教会員が支援物資を香港に送ることを望みました。」

※「逃亡犯条例」改正案とは
香港が犯罪人引き渡し協定を締結していない国・地域の要請に基づいて、容疑者引き渡しを可能とするものだ。香港政府が4月に立法会(議会)に提出した。現在、香港は米国など20カ国と犯罪人引き渡し協定を結んでいるが、中国本土やマカオ、台湾との間にはない。香港紙、星島日報(電子版)によると中国は55カ国と犯罪人引き渡し条約を調印していて、中国の特別行政区である香港とは結んでいない。香港政府トップの林鄭月娥(りんてい・げっか)行政長官は「法の抜け穴をふさぐため」必要な措置だと強調している。

ガスマスク、ヘルメット、エアフィルター、アイスパック、アルコールワイプなど、約530,000米ドル(410万香港ドル)の機器が教会によって集められました。 ピーク時には、1週間で800個のヘルメットが集まったそうです。その一部は教会自体によって香港の抗議デモ隊に送られており、残りはさまざまなチャネルを介して送られています。
教会はまた、台湾に逃亡した200人の政府抗議者に人道支援を提供したそうです。
「台北に戻ってきたら連絡を取り合って夕食をとることを約束しましたが、香港に戻ってすぐに連絡が取れなくなりました」と、61歳のボランティアの方は、彼らは逮捕されたのではと考えています。「彼らは20代の子供たちです。私は父親として、彼らの未来と彼らが信じている理想のために彼らが一生懸命戦っている姿のを見るのはとても悲痛です。」

香港と台湾の結束を強くする

香港政府による「逃亡犯条例」改正案に対する激しい反対として始まったものは、民主的な改革と警察の説明責任に焦点を当てたより広範な反政府運動に変化しました。
香港の抗議行動は、独立を支持する民主進歩党(DPP)のトップである蔡英文氏は、中国本土からの侵略に対する台湾の警戒の必要性を利用し、多くの支持を高めました。蔡英文氏は、台湾の人口2,300万人が中国に飲み込まれていると警告しています。中国側は、必要に応じて強制的に台湾を中国領土として折り畳まれなければならないと考えています。
蔡英文氏は、1月11日の選挙で818万票という歴史的な票を獲得し、中国側とされている国民党(KMT)のハン・クオユを楽に破りました。

教会のボランティアであるコン・チャオクスン氏は、中国がいつか台湾を支配し、それを次の香港に変える恐れがあることに同意し、台湾の人々を香港の抗議者とより結び付けたと感じています。台湾は、1949年から1987年にかけて、国民党が率いる政府によって戒厳令が課され、政治的反体制派が抑圧された「白い恐怖」を経験しました。
その時代について本を書いたコングは、台湾の歴史的な経緯が今回香港の状況のようになるのではと警戒させたと語っています。
「香港で起こっていることは、白い恐怖の時代に台湾で起こったことのようです」とコン氏は言いました。 「私たちは、70年前にそのような種類の制度的暴力を経験しました。」それらの記憶に駆られて、彼は教会が香港を支援するために財団や非政府組織を設立することを検討していることを明らかにしました。

教会の支援に加えて、台北のいくつかのお店は台湾と香港の人々を繋げる支援をしています。
台北のPhilo Cafeは、いくつかの地元NGOによって共同設立されたお店です。入り口に「Stand with HK」というサインを掲げています。
こちらのカフェは哲学、社会運動、正義に関する書籍を販売するカフェとして知られ、オーナーは香港の反政府運動に関するセミナーや展示会を開催し、街からゲストを招待しています。

同じく台北にあるPoetry in Lifeという本屋は、香港の抗議者のための資金を集めるために募金箱を設置しました。
デモクラシーの旗やポスター、抗議者への支援のメッセージが掲載されているレノンウォールもお店で見ることができます。
この店は、香港の詩人ルーク・ウンユ氏によって設立されました。ルーク・ウンユ氏は、現在台湾の出版業界で働いています。
ルーク・ウンユ氏は次のように述べています。「一部の香港抗議デモ者は私のショップを知っているので、お店の支援やチャリティの動きをサポートする製品を送ってくれます。

彼は、台湾と香港が互いに支援し、「中国からの脅威」から自分たちの自由な生活を守りたいと話しています。
中国政府側は、香港と台湾の密接な関係を警戒していますが、彼は続けて「台湾の独立勢力が香港問題に干渉しているため、中国側は台湾にも今後干渉することが予想される」と予想しています。「しかし、この小さなカフェに来て、中国共産党に抵抗する方法をブレインストーミングするために、より多くの香港人を歓迎しています。」
「北京が約束どおりに民主主義を与えられなかったからといって、香港人は戦っています。なぜ戦っているか、それを明確に考えなければならないのは中国です。」

参照:https://www.scmp.com/news/hong-kong/politics/article/3047702/taiwanese-sending-protest-equipment-messages-solidarity

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