ケンブリッジ大学が香港行政長官キャリー・ラム氏の名誉フェローの剥奪を検討か?

ケンブリッジ大学が香港行政長官キャリー・ラム氏の名誉フェローの剥奪を検討か?
2019年12月25日 PLUES
In ニュース, 政治

イギリスの人権活動家であるベネディクト・ロジャー氏は、ケンブリッジ大学のウルフソン・カレッジにて、現在称号を付与しているキャリー・ラムへの名誉フェローシップについて、撤回を要求する抗議で講演しました。

ウルフソン・カレッジは、自然科学に重きを置いた大学院カレッジとして1965年に新設されている学校です。その後、社会科学の発展に合わせ文理比率を約半々とし、現在ではケンブリッジ最大の大学院に成長しています。

今回抗議を含めた講演をしたロジャー氏は、香港以外にも、特に懸念している人権問題として中国本土での政府による人権、宗教弾圧、メディカルジェノサイド(臓器売買)、そしてそれは中国だけでなくミャンマー、北朝鮮、インドネシアにも及んでいます。

今回彼の主張する名誉フェローシップの撤回は、懸念事項としては「名誉」という点にあり、香港デモが始まって約半年、今日までの香港の抗争を引き起こしている人物がキャリーラム氏であり、彼女が「名誉」という称号に値するかどうか非常に問題視すべきとロジャー氏は述べています。

キャリー・ラム氏を痛烈に批判

司法、公正な裁判、法の支配の独立性は香港には実質存在せず、「法の支配」が「中国による支配」に置き換わり、政府都合の独断的な逮捕、失踪、拷問、処刑が日常的に行われる世界で最も不公正な法制度を維持しようとする人には、名誉フェローシップに値するものではない、と表現してかなり敵対視しているようです。

何より憤りを感じているのは、彼女自身がリーダーとして大学の学生を攻撃するよう警察に命じた点で、正に名誉フェローシップに値しないと断言。

彼女が何を命じたか?ラム氏を通して警察は、香港中文大学に1,567発の催涙ガスと1,312発のゴム弾を発射し、少なくとも119人の学生を負傷させました。大学の副学長は、平和的な解決を交渉しようと警察に近づいたときに催涙ガスに見舞われました。

そして、香港理工大学では、11月13日から29日までの包囲により、キャンパス内に閉じ込められた1,000人以上の学生とサポーターが重傷を負い、精神的外傷を負いました。

ここ数週間、香港の衝撃的な警察の暴力を非難して、世界中から3,700人以上の学者が提言し、また、国連人権高等弁務官のミケーレ・バチェレ氏は、「警察による過剰な鎮圧に対し、その武力鎮圧が適切かどうか調査するよう求めています。しかし、ラム女史はこれらの呼びかけを拒否しています。

イギリスの各大学で称号を剥奪されている著名人

ミャンマーのロヒンギャ族の恐ろしい虐殺をご存知でしょうか?こちらの事件に対し、ミャンマーのアウンサンスーチー氏への栄誉と賞の撤廃を求める提案が各地でなされました。特にオックスフォード大学に飾ってあった彼女の肖像画は、削除されているのです。

ロヒンギャ族の虐殺については彼女は非難せず、一部政府擁護の発言も伴っている中で、ジェノサイドの加害者(=指示はしていない)ではないとされていますが、不条理な人権弾圧を擁護することはやはり許されないでしょう。

しかしそんなスーチー女史とは異なり、ラム女史は大学に突入する警察を弁護し、彼らの行動を認め、独立した調査の要請を拒否しています。確信犯とも呼べるべき内容と言えます。

スーチー女史の名誉と肖像画を剥奪できるなら、ラム史の称号も即刻剥奪するべきではないでしょうか?

また、アングリア・ラスキン大学では、親北京議員として知られているジュニウス・ホーから名誉博士号を剥奪しています。

イギリス上院議員がウルフソン・カレッジに通達

直近では、イギリス上院の3人のメンバーがウルフソン・カレッジの会長に手紙を送り、ラム女史の名誉フェローシップを削除するよう促しています。

アジアでも有数の高度な金融経済都市の構造を積極的に破壊し、自由を侵食し、大学の学生の人間の安全を損なうなど、歴史上最大の紛争に陥れ、その結果、命を失い、数千人の負傷者と深い遺恨を引き起こしたラム氏へ、世界の偉大な大学の1つでもあるケンブリッジの名誉フェローシップは値するでしょうか?

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