地政学−① 日本は海洋国家?日本が発展できた特徴を分析してみる

地政学−① 日本は海洋国家?日本が発展できた特徴を分析してみる
2020年9月19日 PLUES
In 歴史

最近世界情勢が荒れています。コロナの問題もあり、国民一人一人が不安に苛まれている最中、今後世界はどう動いていくのか、きになる上で、「地政学」を学ばれると、良いかと思います。

最近人気。地政学とは?

地政学とは(=地理の政治学)、つまり〝地理的な条件が一国の政治や軍事、経済に与える影響を考えること〟とされています。
地理を知る事で「世界の戦争の歴史を知ること」ができます。人々や国は、生まれながらに自分の運命を決めることはできません。その国は地球上のどんな位置にあり、どういう気候条件、他国との境界線など、発展・衰退する要因があったのか。

地理条件は「国民性」「お国柄」なども大きく関わっているといっても過言ではありません。常に危険と隣り合わせの地理条件で荒れば「戦争」という、それぞれの国の生き残りや発展をかけて行われます。しかしなぜ戦争を仕掛けるのか、なぜアメリカは覇権を取れたのか、なぜ中国は尖閣を必要とするのか、この視点をもって世界を見つめてみることが必要かもしれません。

日本はなぜ発展できた?

今回は日本について、地政学的観点から考察してみたいと思います。日本人独特の感性や日本の文化は、天皇を中心としたシンボルが存在し、その歴史は縄文から今に至るまで長い歴史が形成されてきました。しかし、日本はこんな狭い国土で島国にも関わらず、世界第3位の経済大国として今も君臨しています。これは一体なぜなのでしょうか?

1. 海洋資源が豊富、自然の障壁

答えはこの地理的条件です。日本は海という要素をふんだんに含んだものであり、古来からの海上交易は日本人の原型を育んできたものです。

日米安保条約のような軍事条約をアメリカと結んでおけば、いざという時には無人の海洋を突っ切って米軍が助けてくれるから、安全保障の面からも日本は海の恵みを受けていると考えるのは自然なことでしょう。

また、以下後述するユーラシア大陸の国々のような戦いを繰り返すような事にはならず、独自性の文化を国内だけでずっと維持して継続されてきました。地政学的な見地から大雑把に言えば、日本は紛れもなく「海洋国家=シーパワー」ということになります。

●日本はイギリスと似ている

イギリスと日本には地政学的類似点が多いと言われてます。どちらも島国であり、どちらも軍事的才能を持つ有能な社会である中で、どちらも優秀な海軍軍人や造船技師を輩出しています。自然境界内では天然資源が乏しく、海洋に頼らざるを得ませんでした。その為、イギリスが大海原に出て、地球の多くの地域に影響力を及ぼすほどの帝国を築きました。

ある歴史学者は、日本が仮に徳川時代の鎖国を行わなければ、イギリスのような海洋国家として1600年代から植民地を築いてブイブイ言わせていた可能性があると指摘しています。

海を制する国が世界を制するという国際政治戦略の常識に沿って、日本は運の良い条件下で国が形成されたのですね。

2. 民主制や自由というプロセスを経た日本

西洋国と日本は、特に経済成長は目覚ましいものがあります。これらを第一地域と呼ばれ、経済成長するプロセスとして、同じ道を辿っています。それはまず民主化し、産業革命し、世界大戦を経て高い生活水準と文明を手にしました。一方第2地域とはユーラシア大陸の国(ロシアや中国など)です。ここでは独裁政権がよく誕生し、民衆を抑圧する専制君主制という政治体制を敷かれています。西洋は権力の分散、専制君主制は権力の集中です。

これらの流れは、それぞれの国の歴史、前提条件が異なるために、第一地域で実施されたプロセスを踏めずに栄枯盛衰を繰り返しています。第二地域でこのような独裁制が敷かれているのは、多くの民族が一つの大陸に集中しているため、統治して国に対抗するためには、権力集中して行かなといけないという事のようです。インドと中国が仲が悪いのは理解できますね。

なぜ日本はアメリカと組んでる?

「America’s Strategy in World Politics」という国際政治学者スパイクマン著書「平和の地政学」の解説の部分に、1941年の真珠湾攻撃のたった三週間後(12月31日)にスパイクマンが「アメリカは戦後になったら日本と組まなければらない」と記載があります。

そう考えている理由として、世界のパワーの中心は三つあるとその当時記載されており、一つはアメリカ、一つはイギリス、海によって支配するという枠組みで考えるならば、それには日本も三番目のパートナーとして加えなければならないのだ。としています。

日米英の恒久的な同盟関係ができることになると、必然的にランドパワー諸国による対抗同盟が結成されることになるだろう。

ユーラシア全土が武力によって支配される状態というのは自発的に発生するだろう。なぜならドイツ、ロシア、そして中国は、自分たちが包囲されていることを知り、共同でこの状態に対抗しなければだめだと気づくからだ。であると。

ここで重要なのはユーラシア大陸という存在です。ユーラシア大陸は、中国やロシア、インド、ドイツなどの国家が一つの大陸に集約されている巨大な土地です。米ソの冷戦はユーラシア大陸をめぐる戦いでしたが、その拠点として日本がかなり重要だったとされています。

端的にいえば、日本がユーラシア大陸にきわめて近い位置に浮かぶ島国でなければ、日本の歴史はまったく違ったものになっていたに違いないと言えます。

中国やロシアなどの共産勢力、独裁勢力を抑えるためには、日本が必要だという事です。

・極東をバランシングするために日本と組まなければならない
・また、日本を中国とアジアの地中海から包囲される事をさけなければならない
・日本への保護はアメリカが留守の間でも出来るように、一方的ではなく多角的な同盟を築かなければならない

西洋列国は日本や韓国で果たした自国への取り入れができたので、中国でもできるだろうという事で投資をたくさん行いましたが、これは大失敗でしたね。おかげで中国が力をつけてアメリカに対抗するための資材となってしました。

以上が、日本が中国やロシア、そのほかの諸外国と異なり、アジアで唯一西洋と匹敵する大きな成長を遂げて高度な社会を築いた経緯です。しかし最近では、中国も海洋進出が目覚ましく、近隣諸国の島や土地を手当たり次第に買収しています。例えば尖閣はその最たるものです。他にもベトナムや台湾など、アメリカにとっても要所としている場所は数多く有ります。

韓国も島では有りませんが、日本や西洋にとって重要な国です。

しかし最近の韓国=ムジェイン大統領の発言や行動は、中国寄りとも取れる行動や発言ばかりが目立ちます。これはG20などの国際舞台で無視されても仕方ない状況かもしれません。

あと面白い考察があって、民主主義国家同士あるいは他国との戦争する確率はかなり低いと言われています。それはなぜか、それは民主主義というシステムが戦争と相いれないからとしています。民主主義国家は個人>国家なので、一国のリーダーが欲や名誉の為に動くというような動きはかなりとりづらいです。民主主義は「個」のために敷かれた政治システムなのです。
一方独裁国家では国家の理念が個人の価値より勝るので、戦争をする、虐殺するというおかしな決定にも国民は文句ひとつ言えません。

要は一人の独裁者の意向が国や世界全土を動かしうる非常に危険な政治システムが「独裁国家」で有り、それを象徴するのが中国という存在なのです。

この流れは必ず食い止めなければいけませnん。

今後日本を守っていく、世界を守っていくためのシナリオ

日本は高度な民主化がなされているため、戦争のリスクは日本自体で起こり得ることはまず無い。しかし、近隣諸国には民主化とはほど通り覇権を狙う国々が数多く存在し、彼らに嘗められてはいけないのです。さもなくば隙を突かれて先制攻撃され、そのあとの顛末は想像に難くは有りません。

>日本は集団的自衛権にはどう対処すべき?

集団的自衛権は、「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利」としています。これまで政府は、憲法第9条の下において許容されている自衛権の行使は、我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであると解しており、集団的自衛権を行使することは、その範囲を超えるものであって、憲法上許されないとしてきています。

しかし最近では、政府は、この政府解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認しようとする方針を打ち出しています。また、議員立法によって国家安全保障基本法を制定しようとする動きもあり、議論がなされています。
集団的自衛権の行使の是非については、個別であればいいが集団はダメという論理もおかしく、集団的自衛権を行使できないという認識でいることはリスクでしか無いと考えます。

リベラル思想=民主主義、貿易依存、国際機関の強調と、リアリズム思想=同盟と軍事力を強調、このどちらも必要な要素で有り、集団的自衛権で国際的な強調を同盟国と強化するとともに、リベラルな思想を世界に浸透させ続けることが必要です。