インドが中国政府および中華企業に対抗する為、対外直接投資政策を引き締める

インドが中国政府および中華企業に対抗する為、対外直接投資政策を引き締める
2020年4月20日 PLUES
In ビジネス

インドは、中国政府がコロナウイルスのパンデミックを利用して弱体化したインド企業を買収してインド経済を侵食する可能性があるという懸念に基づき、近隣諸国による外国投資規則を引き締めました。

インド商務省は4月18日に対外直接投資政策を変更し、以前は、パキスタンとバングラデシュのみが対象だった国境を接する国による投資買収取引について、政府の承認を必要とする方針を打ち出しました。

バングラデシュとパキスタンからの投資家にはすでに制限が適用されており、ネパール、アフガニスタン、ブータン、スリランカはインド企業への投資にほとんど関心を示さないため、投資家やアナリストらは、インドに投資を多く行なっている中国の組織に最も大きな影響を与えると予想されています。声明の中で、同省は「現在のCOVID-19パンデミックによるインド企業を買収」を抑制することを目的としたと述べています。

このような外資規制の動きはインドに限定されず、ヨーロッパ諸国も中国の買収の脅威を食い止めるために企業の株式を購入することを検討すべきだと考えられます。

インドは、ここ数週間で外国直接投資規制を強化したり似たような対策を検討している豪州やドイツなどの国々に続こうとしている構えです。

中国の巨大企業であるAlibaba(アリババ)とTencent(テンセント)は近年、インドの新興企業に投資を加速させており、中国ではさらに12を超える企業やベンチャーファンドが、インドでのスカウト活動を強化しています。

金融サービス会社のPaytm(ペイティーエム)、eコマースの大手Flipkart(フリップカート)、ソーシャルメディアオペレーターのShareChat(シェアチャット)、フードデリバリー会社のZomato(ゾモト)など、インドの大型スタートアップのいくつかは中国のベンチャーキャピタルの投資を受けています。

インド最大の銀行であり、住宅ローンの貸し手でもあるHDFCは今月初め、中国銀行が同行の保有持分を1%以上引き上げたと述べました。インド国民会議の元党首であるRahul Gandhi(ラフル・ガンジー)は今月初め、与党政府に「国家危機のこの時期に外国企業がインド企業を支配すること」を防ぐ措置を講じるよう要請しています。

政策の変更によって、インド国内の企業はこれまで以上に資金調達が難しくなる可能性が高いと話しています。

インドは新型コロナの拡大を抑えるために先月、全土にロックダウンを命られていますが、他国と同様に、この施策にはコストがかかり、経済の停滞と何百万もの企業やスタートアップが深刻な混乱に直面する可能性が高まります。

先月末、100を超える著名なスタートアップ、VCファンド、業界団体が政府に対し、混乱に対処するため救済基金を設けるよう求めています。

参照;https://www.ft.com/content/ad3f84b0-fb75-4588-97e8-4a657ad67883