4月に入り一向に収まる気配がないコロナウィルスですが、直近では自宅で過ごさなければいけない方々も増えていることと思います。しかし、仕事のモチベーションを落とさずにビジネスの知識を取り入れたい方はNetflixがおすすめ。ドラマやドキュメンタリーは豊富にあります。ビジネスマンとして、起業家としている方にお勧めする10のドキュメンタリーがあります。
グレート・ハック:SNS史上最悪のスキャンダル
「あなたのその考えは、本当にあなたのもの?」というメッセージをテーマにしたドキュメンタリーです。
流されやすい日本人にはとても痛いテーマだと思います。
ケンブリッジアナリティカ(かつて存在したデータマイニングとデータ分析を手法とする選挙コンサルティング会社)の当事者を追った内容をメインに、選挙対策を合理化すればするほど、相手のネガティブキャンペーンを浮動票に仕掛けるのが最適という結果があり、汚いデマでも躊躇なく拡散できる候補者が勝つ、という光景が広がります。アメリカのトランプやイギリスのジョンソン、ブラジルのボルソナロはこの手で勝利。
SNSのキャンペーン1つで国を丸ごと支配できる、というゾッとするような事実。
しかもそれに踊らされていた事を住民は知る由もないという事実はもはやホラーです。
ビリオンズ
本作はウォール街を舞台に、ヘッジファンド操作の黒幕ボビー・アクセルロッドと米連邦検事チャック・ロードスが数十億ドルをめぐり、熾烈に争う姿をスリリングに描くシリーズ。汚い手を使って儲けたビリオネア(億万長者)を、吊るし上げよう!という映画です。インサイダー取引を追って、大物のアックス・キャピタルのボス、ボビー・アクセルロッド(ダミアン)を追い詰めようとしていきます。
内容の所々にブロックチェーンやSNS、クオンツ(人間の直感や相場感は一切使わず、確率解析論、確率論、偏微分方程式といった数学的技術を駆使してリスクヘッジやより利益を得ることを突き詰める数学的な専門家)などのトレンドが盛り込まれ、さらに、ボビーが自身の追い詰められている状況を「第二次大戦中の真珠湾攻撃を受けているアメリカ軍のような気持ち」という風なリメンバーパールハーバーがまだ根強いんだなという日本人の私としては少し複雑な心境になったものです。
天才の頭の中:ビル・ゲイツを解読する
Netflixのドキュメンタリーシリーズ「天才の頭の中:ビル・ゲイツを解読する」。
今ビル・ゲイツが最近情熱を傾けているのは、ポリオの撲滅、貧困国のための安価なトイレの開発、またメルトダウンを起こさない原子力発電所の設計です。世界最大の公益財団でこれらの格差を是正するために仕事をしています。
「1万時間の法則」という誰でも1万時間使えばエキスパートになれるという法則があると思いますが、彼はそれを真っ向から否定しています。裕福な一族に生まれた赤子のころから、ゲイツは自分の並外れた知性と、世間一般のそれとのあいだに極めて大きなインピーダンスの不整合があることに気づき、一般人以上の才能と成長を以ってマイクロソフトは作られたのではと分析。
世界の”今”をダイジェスト
Netflixオリジナルシリーズ「世界の”今”をダイジェスト」。ふだん何気なく暮らしているこの世界には、まだまだ知らないことがたくさん。事実は小説よりも奇なり、じゃないが、怪しく奇妙な“事実”の数々はとにかく魅力的。1回15分ちょっとで、自分の価値観がガラッと変わる知的エンタメ体験ができます。
「コンセプトは『アンダースタンド・ザ・ニュース』。いま世界中で起きている『なんか聞いた事あるけど、これって結局何なの?』な事件や現象を、専門家の意見を交えて教えてくれる番組です。ちょうどいい具合に“いま気になる”話題ばかりなのがうまいです!」
色々テーマがありますが、個人的におすすめの回は「大富豪」です。ぜひ。
ローマ帝国
こちらは、ローマ帝国についてのドキュメンタリー番組でドラマとインタビューを交えた構成になっているので、非常にテーマなどがわかりやすい作品です。
3シーズンありますが、シーズン1は「カリグラ」について、シーズン2は「ユリウス・カエサル」について、シーズン3は「コモドゥス」についてと分かれています。
ローマ帝国、すごいですね。ローマ帝国の範囲は全地中海世界に及び、イタリア半島以外の領土として属州を支配していました。最盛期には北は現在のイングランド・ウェールズを含む大ブリテン島に置かれたブリタニア、大陸ではライン川からドナウ川を結ぶ線の内側の属州ガリア、南はエジプトとアフリカ北岸、東は小アジア・シリア・メソポタミア、西はイベリア半島に及んでいたので、その巨大さと支配力は並外れていました。
しかし古代ローマ帝国は西暦395年に東西に分裂した後、東ローマ帝国は1453年にオスマン帝国によって滅ぼされるまで1,000年以上にわたって続いていましたが、西ローマ帝国はゲルマン民族の大移動の嵐の中、476年に滅亡しています。
西ローマ帝国は何故かくも早く崩壊したのかについては、ローマの拡大と繁栄を支えた「ローマ人」というアイデンティティの喪失がその要因であり、西ローマ帝国は外敵によってではなく自壊した、と分析されています。
都市国家・ローマからローマ帝国へと勢力を拡大していく過程で、ローマは、自国以外の征服した国々に対してもローマ市民権を与え、「ローマ人」として取り込み、有能な人材を軍隊、官僚機構に積極的に登用した。中にはローマ皇帝に登りつめるローマ市出身以外の者も出現するなど、実力主義の人事が巨大な帝国の繁栄を支えました。
しかし、4世紀末から西ローマ帝国では経済が低迷し、政治が混乱する中で、ローマ市民はその不満のはけ口を外部部族に向け、外国人排斥運動が起きた。ローマ帝国の安全を担う軍隊は、ローマ市民ではなく外部部族出身者が多数を占める中で、である。多民族を取り込む「ローマ人」という寛容の精神が西ローマ帝国から失われ、西ローマ帝国は内部崩壊していった、というのが見解としてあります。
西ローマ帝国で起きた、不満のはけ口を外国人に向けるナショナリズムは、今も世界中でみられる現象と一緒ですね。特に、若者の失業者が多いヨーロッパでは、移民を排斥する動きが強く、今世界中で極右政党が議席を大きく伸ばしています。
歴史は繰り返されるのでしょうか?
ロバート・ケネディを大統領に
ダラスで暗殺された第35代米国大統領ジョン・F・ケネディの弟にして、自らも大統領選出馬時に同じく凶弾に斃れた政治家、ボビーことロバート・フランシス・ケネディ(RFK)。ベトナム戦争や黒人差別、深刻な貧困などで国内分裂の危機にあった1960年代の米国において、唯一の希望と称された彼の生涯を描いたドキュメンタリーです。
ロバート・ケネディは、JFK政権樹立に奔走し、父親のジョセフケネディから間接的に合衆国司法長官に任命されます。
ジョン・F・ケネディが暗殺されたあとはNYの上院議員となり、公民権運動への支援や貧困問題の解消などに力を注ぎます。
この時代はベトナム戦争の長期化、キング牧師やマルコムXの登場による黒人差別の問題意識が最高潮に高まった時代と言えます。
急速に分断していく国家を憂う彼は、国を救う為に大統領選への出馬を決意。しかしそれが兄と同じ運命に繋がるかもしれないという予感は拭い去れず、結果サーハンサーハンに暗殺されます。
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