ドイツ、香港との犯罪者引き渡し協定の停止を発表。中国はこれを批判

ドイツ、香港との犯罪者引き渡し協定の停止を発表。中国はこれを批判
2020年8月1日 PLUES
In テクノロジー

Germany ended its extradition agreement with Hong Kong after the territory postponed its election by a year. Beijing has called the move a “gross interference in China’s internal affairs.”

香港政府は今年9月に予定していた立法会の議員選挙について、新型コロナウイルスの感染拡大を理由に1年間延期すると発表したことを受け、ドイツは香港とのextradition agreement=犯罪人引き渡し協定を終了したと発表しました。中国政府はこの動きを「中国の内政への大きな干渉」と呼んでいる。

ドイツにある中国大使館は、この条約の停止は国際法および国際関係の基本的規範に違反していると述べました。

ドイツのハイコ・ヨーゼフ・マース外相は7/31金曜日に、ドイツは香港とのextradition agreementを終了すると述べ、「中国が国際法的義務を遵守することへの期待を繰り返し明らかにしていく」と述べました。マース氏は、香港の人々が資格を有する自由で公正な選挙の権利が迫害されるのを看過できないと付け加えました。

外相はまた、「12人の野党候補者を選挙資格なしとし、選挙自体も延期するという香港政府の決定は、香港市民の権利にさらなる打撃を与える」と述べました。

12人の野党候補者を選挙資格なしについて

この件は、香港の選挙管理当局は7/30に、立法会選挙(定数70、9月6日投開票)に立候補を届け出た民主活動家のジョシュア・ウォン氏(23)ら民主派12人の立候補を禁止したとしました。中国が香港の統制を強化するため制定した国家安全維持法(国安法)に反対していることや、政府が立法会に提案する議案を否決すると表明していることなどを理由としています。まずドイツはこれに反発。

選挙の延期について

香港のキャリー・ラム最高経営責任者(CEO)は同日、コロナウイルスのパンデミックに対する懸念が高まり、9月6日に予定されている立法選挙を延期すると発表しました。彼女は選挙が2021年9月5日に行われると語っています。過半数の議席獲得を目指していた民主派は、選挙での躍進を阻止しようとする中国政府の意向を受けた判断だとして反発を強めています。

香港政府トップの林鄭月娥行政長官は31日夜、記者会見し、ことし9月6日に予定されていた立法会の議員選挙について「新型コロナウイルスの感染が広がっており、市民の安全を守るため」として1年間延期すると発表しました。

香港の民主派22人の議員のグループは、投票を延期するための口実としてコロナウィルスを使用したことを非難する声明を発表しました。
国家安全保障法に突入した1か月後から、香港の民主主義活動家を対象とする圧力は高まっています。

ドイツによる香港および中国への対応

また、ドイツはextradition agreementの他に、すでに香港軍隊や警察によって使用される特定の品目、たとえばデモ中に民間人に対して使用される可能性のある武器などの危険品目に対して輸出禁止を課しています。

ドイツはまた、一部の香港居住者に対するビザの要件を緩和し、より多くの科学者や香港の学生に奨学金を提供するための措置を講じています。

ニュージーランド、オーストラリア、カナダ、イギリスなどの国々も、ここ数週間、香港とのextradition agreementを一時停止しています。

ドイツと中国の貿易関係は?

JETROの情報を参照していますが、ドイツ連邦銀行によると、2018年時点で中国からドイツへの直接投資(国際収支ベース、ネット、フロー)は7億700万ユーロと、国・地域順では13番目の投資国となっていて、そこまで高くはないようです。しかし、問題は金額ではなく、投資の中身。

中国企業による対外直接投資では、M&Aが主流になりつつあるため、ドイツにおける中国の投資動向を知るにはM&Aも視野に入れることが適切だろうとしています。JETROに掲載されているデータでは、ドイツにおける中国企業によるM&A額は、2016年に前年比24倍の125億6,000万ドルと急成長を示し、2017年には過去最高額の136億8,400万ドルを記録した後、2018年は約2割減の106億8,100万ドルになってます。

データで見ると急激な増加です。

しかし、その後2019年上半期に至っては5億500万ドルと急激な減少を見せ、中国による影響力を恐れる世論、当局が規制強化が影響したと考えられます。2019年に入っても1月にデータ分析を手掛けるスタートアップ、データ・アルチザンス(data Artisans)を、アリババ集団が9,000万ユーロで買収しています。ちなみにアリババの創業者は中国共産党に入党しています。データなど確実に取られると思います笑

最近の中国企業のM&A戦略は、中国の産業戦略「中国製造2025」という、新中国建国100周年の2049年までに自国を産業大国にし、世界の産業をリードするという目標実現の土台を構築するために、2015年5月に中国政府により発表された産業戦略です。2025年までに欧米先進国および日本に追いつき、2049年までに追い越すための10の重点分野を定めている。海外企業の買収は、先端技術を迅速に獲得するのに有効な手段とみられています。

結論

結論としては、脇甘過ぎ。経済的なメリットをないがしろにできず、安全保障が疎かに。

経済と安全保障のジレンマに直面するドイツだけでなく、世界中で多く発生しています。

参照;https://www.dw.com/en/china-criticizes-germanys-suspension-of-extradition-treaty-with-hong-kong/a-54399987