香港キャリーラム氏、民主派が要求していた警察による残虐行為に関する調査の要望を拒否

香港キャリーラム氏、民主派が要求していた警察による残虐行為に関する調査の要望を拒否
2020年5月16日 pluesjp
In ニュース, 政治

Hong Kong Chief Executive Carrie Lam on Friday accepted some recommendations from the Independent Police Complaints Council after it released a report clearing police of excessive force in handling last year’s democracy protests.

香港の行政長官(最高責任者)のキャリー・ラム氏が、香港の警察活動に対する独立監察機関、警察苦情処理独立委員会(監警会、IPCC)が発表した香港の抗議活動への警察の対応の調査報告を受け、委員会から勧告をいくつか受け入れる姿勢を見せています。キャリー・ラム氏が受け入れた勧告は、催涙ガスと警察の訓練に関する内容でしたが、併せて争点となった民主主義抗議者に対する警察の残虐行為の件については、調査や追求は除外した模様です。

デモは2019年半ば以降中国の支配に反対する暴力的な抗議行動が数か月続いていましたが、コロナウイルスの影響で落ち着いたかに見えました。しかし最近になって民主活動家の逮捕により民間人の中で摩擦がよみがえってきています。

デモ隊は警察の過度な武力行使を非難していますが、政府当局は抗議者が暴力的で挑発的であるからと、原因を民主デモ活動の人々にしています。

ラム氏は、これらの独立した調査と提案を受け入れて改善をすることで警察の力は弱まるだろうと述べましたが、政府としても改善できる余地がある箇所についてはIPCCの勧告は受け入れるだろうと語っています。

調査資料は999ページのレポートで、IPCCは催涙ガスの使用と警察のための公的秩序訓練のガイドラインの見直しを政府に求めました。

報告によると、改善の余地はあるものの、警察はガイドラインの範囲内でデモ隊に対して使用し、行動したとしています。警察の残虐行為に対する告訴については「政治的抗議の武器」として使用してはならないと付け加えました。

疑念が拭い去れない「白い集団」によるデモ隊への襲撃

最も物議を醸しているエピソードの1つで、IPCCは2019年7月21日の中国との境界に近い元朗の地下鉄駅にて、白いTシャツをきた「ギャングメンバー」らしき暴徒が、一般人およびデモ隊への攻撃した事件があげられます。
こちら昨年少し話題になったニュースですが、その時の情報によると、昨年、元朗の地下鉄駅でデモ隊の若者や利用者など居合わせた人達が謎の「白Tシャツ」集団に襲撃されました。ネット上に出回った映像では、集団は白色のTシャツを着てマスクをし、棒などで駅構内にいた人に無差別に襲いかかっています。
逃げまどう人、傘で防御する人、物を投げ反撃する人など、構内はパニック状態に。白い暴徒に殴られそうになった地元の議員は、襲撃が起きた時、付近に止まっていた警察車両の警察官に助けを求めたが彼らは立ち去ったほか、それより早い段階で十数人が棒を持って集まっていたのに警察は何もしなかったと批判しています。

この警察の行動を不審に思った議員やメディアが、白い集団は裏社会組織の疑いがあるとの見方を明らかにしたほか、ネットでも「地元のギャングだ」「親政府の集団だ」というような指摘が出てきており、また市民からも発生時の対応が遅く誰も逮捕しない警察の対応に「警察が裏社会と手を組んでいる」との批判が起こる事態に発展しました。

一連の流れを受け、IPCCは警察と謎の白T集団が共謀したとされる証拠は、見つけられなかったと述べました。しかし、警察の警備配置の欠陥が見つかったと記載しており、その欠陥によってデモ隊の若者や利用者など居合わせた人達が謎の白T集団に襲撃されたことを認めてます。

異常な警察の残虐行為に目がくらむ

香港の野党側の民主派議員の政治家はこの調査について感銘を受けませんでした。

「報告書は警察の残虐行為に目をつぶった」と民主派を支持しているフェルナンド・チャン氏は言いました。 「この報告は、IPCCに残されていた信頼性をほぼ排除している。」

IPCCの元メンバーで議員のケネス・レング氏は、今回IPCCが提出し、政府が受け入れた勧告は「表面的で一般的」であり、警察の残虐行為問題を解決するには不十分であると述べました。

世界最大の国際人権NGOアムネスティインターナショナルを含む人権権利団体は、警察権力と8,000人以上の不当な逮捕に対する抗議者を支持しています。

警察側は、民主派による極度の暴力に直面した結果、警察はそれに応じて過度に攻撃的にならざるを得なかったと述べています。 IPCCの報告は、香港が「テロの時代」に引きずり込まれる危険性があると述べ、香港政府と中国当局のコメントに倣った形です。

過激な抗議者の多くは黒の衣装を着用し、マスクを身にまとい、警察と中央政府の事務所にガソリン爆弾を投げ、立法評議会を襲撃し、地下鉄の駅を破壊し、道路を封鎖しました。警察はそれに対し催涙ガス、大砲、ゴム弾等で対応しました。多くの場合、事前に群衆に警告してるとしています。

IPCCは、7月1日の立法評議会の襲撃について、警察はより強力なバリアを張ることで、それを阻止できた可能性があると述べました。

The protests started as a campaign against a now-shelved extradition bill that would have let criminal suspects be sent to mainland China for trial, but evolved into broader calls for greater democracy.

抗議行動は、当初は中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案を支持した政府に対する抗議でしたが、次第に大きな民主主義を求めるより広範な要求に発展することになりました。

ラム氏は、今回調査したIPCCのメンバーの任命権もある状態で、2019年12月には5人の外国人専門家が調査委員会の独立性への疑念から顧問の職を辞めました。

警官がジャーナリストに唐辛子を吹きかけ、立ち入り禁止区域でひざまずいた週末に、抗議行動の警察による取り締まりが新たな精査の下に置かれた。 珍しい動きで、警察署長は火曜日に彼の警官がより専門的に行動するべきだったと言った。

警察は、今月5月13日キャリーラム氏の誕生日に開催された抗議デモに唐辛子スプレーを使ってデモ隊を押し返し、ジャーナリストを含む少なくとも1人を拘束した対応について、よりプロフェッショナルな対応をすべきと述べています。

ブルームバーグ紙では、林鄭長官は以前は香港のために自らを犠牲にしていると主張し、調和を取り戻すよう訴え、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案を支持して全面的な混乱を招いたとの批判を受け入れ、政策を推し進める前に住民の声にもっと耳を傾けると誓ったこともありました。
だが今、もはや林鄭長官は国内の混乱への懸念を示すことはなく、諮問機関である行政会議を控えた5月12日の記者会見で、中国国歌に敬意を払わないことを違法とする法案の可決が立法会(議会)の優先課題だと述べています。

「他人の批判や中傷を恐れない」と断言した林鄭長官は、「ナショナルアイデンティティー」を育む学校カリキュラムの改革が必要だとも指摘。

参考までに、民主デモ活動家のジョシュア・ウォン氏が、オックスフォード・ユニオン(Oxford Union)というディベート団体が運営しているポッドキャストもありますので、彼の意見等も聞いてみてはいかがでしょうか?

参照;CBC