「遊んで暮らす」時代に突入? 新しい概念 GAME 3.0について

「遊んで暮らす」時代に突入? 新しい概念 GAME 3.0について
2020年1月16日 PLUES
In テクノロジー

仮想通貨に関する情報に詳しい方なら一度は聞いたことがある「イーサエモン」。これはイーサリアムネットワーク状に構築された分散型アプリケーション=DAPPS(ダップス)の1つですが、以前イーサエモンの創設者が来日し、彼が抱くビジョンとイーサエモンの今後の話が興味深かったので、共有したいと思います。

イーサエモンとは?


 
 
イーサエモンは、暗号通貨「Ethreum」を用いて、モンスターを捕獲、進化、バトルさせることができる、ポケモンのようなゲームと言われています(実は私はまだプレイしたことがありません…)。海外発祥のゲームで、創設者およびコアメンバーは全員海外の方です。詳細な遊び方や手順などはこちらでは割愛させて頂きますが、よければ埋め込んだYoutubeの動画をご覧いただければと思います。

 

イーサエモンはゲーム3.0を目指している

私は子供の頃からよくゲームをして遊んでいましたし、今は社会人になってそれこそプレイする時間や機会はほぼ皆無となりましたが、今でもちょくちょく最新のゲーム情報やプレイ動画などをみたりすることはあります。

来日していた、イーサエモン創設者のNaka Nhu氏は、既存のゲーム業界に長けた人物で、イーサエモン開発前は大手のゲーミングプラットフォームを運営する会社に勤めていたそうです。

そんな彼がイーサエモンの宣伝を兼ねて語っていたビジョンとして「ゲーム3.0」を起こす、というものがあります。

①ゲーム1.0

まずゲームの歴史をたどると、ファミコンが誕生したことで日本を中心に世界中の各家庭にゲーム機およびゲーム産業が浸透し始め、それがスーファミ、PlayStation、Nintendo Switchと、ゲーム機とソフト、その産業は進化を遂げました。これらは各自が自分の楽しみとしてゲームを純粋に楽しみ、人々と情報交換などをしながら現実にはないファンタージな世界に触れ、体験する、これがまず「ゲーム1.0」としています。ここではプレーヤーとゲームが1対1の関係です。

②ゲーム2.0

インターネットの台頭に伴い、マルチプレイ環境で他プレイヤーとストーリーを共有し始めました。これに伴い、ゲーム2.0では、「ゲーム実況」「他のプレーヤーのプレイを視聴」の分野が誕生し、これを2.0の現象だとしています。ただ自分がプレイするだけではなく、他人の上手なゲームプレイを視聴して楽しんだり、自らプレイ動画を自慢したり、さらに動画を投稿するプレーヤーの中から、お金を獲得して生活する人物まで登場しました。この新たなニーズおよび産業の誕生しました。

Game 2.0時代において最も成功したのは、Legends of Legends、Dota 2、CS:GO、Diablo IIIのような大規模マルチプレイヤーオンラインゲーム(MMO)です。

このゲームはeスポーツへと繋がっていきます。これはプロと呼ばれるレベルのプレイヤーがしのぎを削る競争力の高いゲームです。eスポーツトーナメントにおいてプロプレイヤーのプレイを観戦することは、エンターテインメントの一つとなっています。 eスポーツは2020年には15億ドルの市場規模になると予測されており、Game 2.5と定義されます。
それにもかかわらず、プレーヤーはさらなるゲーム体験を求め続けています。シングルプレイからストーリーの共有まで、プレイヤーはゲーム環境に完全に没頭しようとしてきました。さらに、ゲーム内におけるアセット/地位を自らの固有財産とできる仕組みが求められてきました。何年もかけて育ててきたキャラクターがゲーム開発者によって数秒で複製されたり、弱体化されることを想像してください。ゲーム内でのあなたの努力が無益であるとわかった途端、ゲームの楽しさは失われてしまいます。すべてのゲームが一元管理され、一握りの開発者と配給業者によって独占的に管理される状態は、変わらねばなりません。この考え方はGame3.0を通じて変化していくでしょう。

③ゲーム3.0

そして気になるゲーム3.0。これはどういう世界観かというと、3.0は「VR×ブロックチェーン」だとしています。
VRは仮想現実のことを指しますが、これによってゲームへの没入感、体感が一気に上がり、ゲームのクォリティが大幅にレベルアップすると予想されます。
そしてそこに新たに加わる要素としてブロックチェーンがありますが、ブロックチェーンによって自分がゲーム内で獲得した武器やモンスターなどの資産を「所有できる」という概念を生み出しています。

イーサエモンでいうと、育成したモンスターは完全に自分のモノとして保有でき、それを売買し、獲得したトークンを法定通貨に換金して実社会でも活用できる仕組みを整えています。あとは、ゲーム内でバトルができ、勝つなどすると「EMONT」というゲーム内通貨として使用されているERC20トークンを、報酬として受け取ることができるようです。これも取引所で換金可能です。

 

創設者が強調していた「所有権」

ブロックチェーンの面白い点として、Naka Nhu氏が上げていたのは「仲介者をなくす」と「所有権を生み出す」の2点でした。イーサエモンはDAPPSであるため、中央管理者は存在しません。

そして所有権については、ブロックチェーンを使って「コンテンツの帰属先」を決定し、「唯一のコンテンツ」を作り、それを売買する(ブロックチェーンネットワークでは、表面上ではコピーできても、データの帰属先までは複製できないため、帰属先のないデータは結果として意味のないものとなる)にあたり、その正確なデータや帰属先を判断する上でブロックチェーンが役に立ちます。

この自分が仮想現実内で生み出したデジタルアセットを所有して、売買できるようになることで、そこに新しい価値が誕生し、その価値に魅了された人々がその資産を買い求め、完全にゲームの世界の中で生活を立てる人が登場する可能性もあります。

また、Etheremonはすべてのノードがチェーンを維持するEthereumネットワーク上で実装されています。これにより、稼働が停止するこがなく、改ざんや詐欺のリスクを軽減することができます。

もはやゲームという枠を超えて、現実と融合した新しい世界観がそこには広がっており、そんな壮大かつ未来的な彼の志に胸を打たれました。ただのお金儲けだけで出来上がったプロジェクトでない、と私が感じたのも、そんなビジョンを信じてる彼の姿勢があったからこそだと思います。

このムーブメントの本質は価値の付かなかったものに価値がつくこと

私は今回のゲームにおける所有権の動きを「今まで価値が付かなかったものに価値がつく」という解釈でいます。

法定通貨の経済圏では利害が明確な活動にしか金銭は発生しませんが、純粋の面白く人気の高い、人々が関心のある分野やコンテンツにお金としての価値が与えられていきます。人々がお金を使う対象が高級感、ラグジュアリーな物質的なものからデジタル、およびその人個人や法人に対して利害とは別の動機でお金を投資する動きが見られてきます。例えば募金や支援などが良い例です。

これは一部トークンエコノミーにつながると予想しています。

トークンエコノミーとは、「トークンという代替貨幣を用いた経済圏」のことをいい、これまでの資本主義社会では、実際の紙幣など法律に基づき政府や国が発行した貨幣や、金などの貴重品が通貨として、商品やサービスと交換され、経済圏が成立してきました。例えば、日本だと日本円の経済圏、アメリカだとドル建ての経済圏ということになります。

しかしトークンエコノミーでは、特定のサービス事業者が代替貨幣としてのトークンを発行し、それをユーザーが購入して使うことで、トークンに経済的価値が生まれ、トークンエコノミーが成立します。つまり、ゲーム内で各自自由にトークンを発行して、そのトークンを幾らかに価値をつけて購入する人が現れた時、トークンエコノミーが発現します。

今後もイーサエモンおよびゲーム産業の未来に注目していきたいと思います。

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